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主催

【実施レポート】
とよなかアーツプロジェクト リサーチ企画「千里考今物語」
夏休みワークショップ「ニューニュータウン」

日時    :2024年8月8日(木)13:00-15:00
会場    :豊中市立文化芸術センター 多目的室
講師    :辰巳雄基(とよなかアーツプロジェクト リサーチ企画 選定アーティスト
       /千里もぐら調査団)
ゲスト講師 :森太三( 社会福祉法人松花苑みずのきアトリエ講師 /京都精華大学・
       成安造形大学・京都芸術大学 非常勤講師)
アシスタント:千里もぐら調査団
参加者   :15名



夏休み中の子どもさんを中心に、「ニュータウン」をテーマにした制作ワークショップを実施しました。

まずは講師による、全国に先駆け開発された「千里ニュータウン」のお話から始まりました。
地区に分けられ、住居や商店、道路が計画的に建設されたこと、各地からたくさんの人がやってきて、新しい街を作ってきたこと。「千里ニュータウン」を知らなかった人、知っている人も、熱心に耳を傾けられた様子でした。





続いて、参加者さんの手で、いよいよ「ニュータウン」を作ります。
はじめに、大きさの違う土台(土地)や様々な形の木片(建物)から、各自が好みのものを選びました。
道はどこに向かっているか?どんな物件があるのか?建物のデザインは?
自由に想像して、形にしていきます。
「新しい街」なので、規定はありません。
絵具とマスキングテープが駆使され、カラフルで個性的な世界ができていきます。あるものは原色が目を引く壁面、あるものは柔らかなグラデーションが彩る窓。アルファベットを頂くヘリポート・ビルはランドマーク。思わぬ絵具の染みも、またデザインです。
子どもさんはもちろん、大人の方々も創造性やオリジナリティを発揮され、ものづくりに励まれた姿が印象的でした。



完成後は、会場中央に皆さんの作品を配置し、ついに街開きです(ここで繋がる道路が出てきます)。それぞれの作品が、道を通じて広がっていく様は圧巻でした。
千里ニュータウンは区域ごとに学校や医療施設や商店がありますが、ニュータウン全体の中心地はありません。各所が「中心」です。まさに皆さんが作られたのは「ニュータウン」でした。
最後は、めいめいが作品への想いを語る時間。制作の感想はもちろん、住んでいる場所、理想の街のイメージも加わり、皆さんが熱くお話されました。

今回のワークショップ参加が、皆さんにとって、街と自分の居場所を見つめ直す機会になっていればと思います。街のおこりは、個人の自己実現と、暮らしを通じて人との繋がりを求める思いからなるということに、気づかされました。



※作品は、11月開催の本企画「千里考今物語」の成果発表イベント「きつね囃子」にて展示されます。

講師プロフィール
辰巳雄基
1990年奈良県生まれ 亀岡在住 丹波亀吾郎店主
日本全国の飲食店から集めたもので「ジャパニーズチップ展―テーブルの上で見つけた日本人のカタチ」漂流物の即売会「たつみの海でひろってきたもの店(展)」地域の竹細工と物語を収集した「竹を編む 記憶を辿る」など蒐集やリサーチでの発見をもとに展覧会や発表を行う。 著書に『箸袋でジャパニーズ・チップ!テーブルのうえで見つけたいろんな形』(リトルモア)、共著に『小屋の本 霧のまち亀岡からみる風景』(きりぶえ)がある。

森 太三(美術家)
1974年大阪府生まれ 京都市在住 1999年京都精華大学大学院美術研究科立体造形専攻
修了
1996年の初個展以降、個人の身体感覚によって生みだした小さなカタチを集積させて、展示空間内に架空の風景を表出させる作品を発表。2014年「STUDIO森森」設立。 展覧会企画や展示設営、ワークショップなどの美術に関わる様々な活動を展開。現在 社会福祉法人松花苑みずのきアトリエ講師 ・みずのき美術館インストーラー。京都精華大学・成安造形大学・京都芸術大学 非常勤講師

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